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症状が悪化したイラン戦。ハリルジャパンはパスサッカーを捨てた

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 イラン戦を通して、ハリルジャパンの将来に明るい光を見た人はいないだろう。暗雲に覆われ視界不良に陥ったまま。症状は試合を重ねるたびに悪化している。

 ハリルホジッチの就任以来、日本代表のサッカーの質は大きく変化している。ひと言でいえば、つまらない。勝ち負け以前の問題として、単純に見ていて楽しくないのだ。その試合観戦をきっかけに、サッカーファンになる人はどれほどいるだろうか。サッカーの魅力を再認識した人もいないだろう。ハリルジャパンはエディージャパンの反対語になっている感じだ。

イラン戦の1-1の結果は「妥当」と述べたハリルホジッチ監督イラン戦の1-1の結果は「妥当」と述べたハリルホジッチ監督 不正確。ミスが多すぎる。持っている実力より、大抵の選手が下手に見えてしまう。何よりパスが繋がらないところに不満を覚える。

 これまでにはなかった展開だ。

 少なくともアギーレ時代まで、パスはよく繋がった。10本ぐらいパスを繋いでも、10メートルしか前進しなかったり、進むべき方向が間違っていたり、その割に決定的なチャンスは少なかったりしたが、良くも悪くもそれが日本のスタイルだった。つまりパスを繋ぐことでマイペースを確保する「パスサッカー」だった。

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