予選2戦を前に早くも予防線。ハリルホジッチ、今回の「言い訳」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 また、最下位に終わった東アジアカップについては、こんな具合だ。

「(Jリーグの試合から大会までに)2、3日休みがあれば、1試合目(1-2北朝鮮)は勝てた。相手は強くなかった。もし1試合目に勝っていれば、1位で終わっていた」

 これでは、まるで敗因は自分とは関係のないところにあり、すべての問題はコンディション、ひいてはJリーグの日程にあるかのようだ。もしカンボジア戦で再び苦戦するようなことがあれば、「海外組が合流して2日しかなかった。コンディションが悪かった」とでも言うのだろうか。

 とはいえ、最近の試合で勝てないことの言い訳など、些細なことでしかない。それ以上に気になったのは、この指揮官はいったいどんなサッカーを目指そうとしているのか、ということだ。

 ハリルホジッチ監督は、何度も「フィジカル的なクオリティが必要だ」と語った。確かに、日本人選手はもっと球際の勝負で厳しく戦えなければいけないし、そのためにはフィジカル的にも強くならなければならない。だが、それらは日本代表が目指すサッカーの中心にあるべきものではないはずだ。

 例えば、ハリルホジッチ監督が例に挙げた東アジアカップでの北朝鮮戦。試合終盤に長身FWのヘディングから2失点したことを引き合いに出し、「FKのときに大きな選手を前に置くと日本が弱いことを、他のアジア勢は知っている」と言い、「それに対抗するためには大きな選手が必要だ」と語った。

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