やや期待はずれのなでしこ次世代に「チャレンジ精神」はあったのか?
指揮官自ら名付けた"チャレンジなでしこ"として臨んだ東アジアカップ。来年2月に行なわれるリオオリンピックアジア予選のライバルである北朝鮮、韓国、中国と交える貴重な3連戦を、日本は1勝2敗の3位で終えた。
東アジアカップでは3位となり、悔しそうな表情を浮かべるなでしこたち 今回の招集メンバーは、2012年に日本で開催されたU-20女子ワールドカップで3位となり"ヤングなでしこ"として一躍脚光を浴びた世代からも猶本光、柴田華絵(ともに浦和レッズL )、横山久美(AC長野)、田中美南(日テレ・ベレーザ)ら5名が入り、またワールドカップカナダ大会のサブ組や、バックアップメンバーも含め、さまざまな角度から選手の見極めをする大会となった。
その中でもっとも意外性のある可能性を見出したのが、京川舞(INAC神戸)の右サイドバック起用だった。これまでなでしこジャパンでは、所属チーム同様にゴールゲッターとして起用。今年2月のラ・マンガ国際大会でサイドバック(SB)を試し、今回本格的なコンバートとなったが、ここまで攻撃型一本で来た選手である。最終ラインでの守り方など心得ているはずもなく、初戦の北朝鮮戦ではアグレッシブすぎるスライディングでPKを献上、続く韓国戦でも際どい位置でファウルをおかし、痛いFKを与えてしまった。
高くつく勉強代となったが、いずれもすべて最後に体を投げ出す瞬間が、身についてしまっている攻撃型のタイミングだからだ。守備型の動きを体得すれば、十分に開花する可能性がある。佐々木監督も「近賀(ゆかり)の後釜になる資質がある」と手応えを感じている。
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