スター軍団から2部チームへ。元ヤングなでしこ田中陽子が下した勇断 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 吉見夏稀はJFAアカデミー時代のチームメイト。彼女から聞くノジマのサッカー環境にも共感した。

「練習グランドの隣にあるのが寮なんですけど、そこにみんな住んでいて快適です!1Kのアパートですが、みんなでゴハンを作って食べたり......って私は食べる方なんですけど(笑)。サッカーに専念できるノジマの環境は1部でもそうないと思います」

 すべてがひとつのベクトルを示していた。さらにチームに合流した田中は嬉しい驚きを手にする。

「新しい選手が自分を含めて7人来て、そのメンバーが今試合に出てたいりするんですけど、1部から来たメンバーもいるし、大学で活躍していた人もいるし、昨シーズンよりパワーアップしているんです。イメージしていた以上に楽しかった(笑)。来たばっかりの頃はまだここのサッカーに慣れてなかったですが、ゴール前みんなで崩したりするので、ちょっとビックリした。細かい動きとかも速くて、むしろ自分が動かないといけない場面でも体力がきつかったり、もっとやらないとっていう課題がすごく出てきました。なんか......嬉しかった(笑)」

 このチームには田中のようにポテンシャルは高くても、大看板の陰でなかなか出場機会が得られず、決意と覚悟を持ってノジマでの再挑戦を誓う選手は多い。

「(ゲームに)飢えてるっていうのもいいのかもしれないです。チームが始動してここ約3カ月で練習試合を20試合位やってるんです。土日はもちろん、今週は水曜日も試合!男子ともやったし、ベガルタ(仙台)や早稲田大学、(日テレ)ベレーザ......結構きついんです。でも、その中で学べたり、自信がついたりしてて、今まで感じられなかったことを感じることでさらに目標がしっかりしました」

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