本田圭佑の変身で、新たな「勝利の方程式」が確立される? (2ページ目)
ただし、新たなスタイルへの手応えを口にしつつ、本田はマルペンサ空港でこうも語っていた。
「前の自分みたいなこと(ゲームメイク)をできる選手が、日本代表に出てこないと厳しい」
では、本田がフィニッシャーに徹している一方で、誰がゲームメイク役を担っているのだろう? チーム内の「パスランキング」を見れば、何かしらの傾向がわかるはずだ。
GKを除く先発メンバーのグループステージ3試合のパスランキングは、以下のようになっている。フル出場してない選手に関しては、カッコ内に90分に換算したパス数を書いた。
【パスランキング】
1位 長谷部誠 214本
2位 香川真司 204本
3位 吉田麻也 193本
4位 酒井高徳 170本
5位 森重真人 167本
6位 本田圭佑 139本(140本)
7位 長友佑都 132本
8位 遠藤保仁 131本(169本)
9位 乾貴士 70本(119本)
10位 岡崎慎司 56本(61本)
(データ提供元:Opta)
パス数が200本を超えたのは長谷部と香川のみ。このふたりが積極的に組み立てに関わっていることがわかる。ピッチ上のどこでプレーしたかがわかるヒートマップを見ると、香川は誰よりも広範囲を動いており、その積極的な姿勢がパス数につながっているのだろう。
さらに本田との関係性だけに限ると、より香川の存在が浮かび上がってくる。本田へのパスの本数が、香川は右サイドバックの酒井高徳に次いで多かった。
【本田へのパスランキング】
1位 酒井 33本
2位 香川 29本
3位 遠藤 14本
4位 岡崎 13本
5位 長谷部、川島永嗣 8本
香川の基本ポジションは4-3-3のインサイドの左MFで、ポジションチェンジをすることもあるが、距離は右MFの遠藤の方が本田に近い。にもかかわらず、香川が遠藤の約2倍のパスを本田に送り込んでいるのは、本田の前への動き出しを常に気にしているからだろう。
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