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イラクに辛勝。決定機を外し続けた日本が被る「大きな代償」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 アジアカップのグループリーグ第2戦で、日本はイラクに1-0で勝利。これで日本は2連勝となり、勝ち点を6に伸ばしてグループDの単独トップに立った。

 優勢に試合を進めていながらミスが目立ち、攻撃にどこかチグハグな印象が強かった初戦のパレスチナ戦(4-0)に比べ、この日の日本は落ち着いた試合運びが目立った。

 序盤からボールを支配した日本は、うまく縦パスを入れながら3人目の動きを利用し、何度もイラクの守備網を崩し切った。前線の選手のポジションチェンジも効果的で、相手ディフェンスに的を絞らせない攻撃ができていた。

 攻撃だけではない。一度ボールを奪われたとしても、すぐに高い位置で奪い返すこともできており、連続攻撃につなげることができていた。得点こそ、本田圭佑のPKによる1点だけだったが、それ以外にも多くの決定機を作り出しており、狙いどおりの攻撃がどれだけできたかという点で言えば、むしろパレスチナ戦を上回っていたのではないだろうか。

 また、結果的に追加点が奪えない中、闇雲に最後まで攻め続けるのではなく、ラスト10分ほどはしっかりとパスを回してボールをキープ。最少得点差を守って確実に勝ち点3を手にするあたりにも、落ち着きが感じられた。スコアのうえでは1-0の辛勝だったが、それほど悪い試合内容ではなかったと思う。

 ただし、その印象はあくまでも、イラク戦を単体の試合として取り上げるならば、だ。

(写真左から)香川、本田、岡崎らは再三決定機を迎えたが......。(写真左から)香川、本田、岡崎らは再三決定機を迎えたが......。 アジアカップ全体を通じて考えるならば、キャプテンの長谷部誠が「先制してから少しペースが落ちたが、チャンスは多く作っていた」「3-0くらいで早めに(勝利を)決定づけなければいけなかった試合」と振り返っていたように、やはりもう2、3点は取っておかなければならなかった試合である。

 なぜなら、それができていれば、今後の展開が確実に変わっていたからだ。

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