豪州戦で日本代表が見せた「ポジティブな変化」とは?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 ハビエル・アギーレ監督が就任し、再スタートを切った日本代表にとって、2-1で勝利したオーストラリア戦は"ブラジルW杯以後"の変化を感じさせる一戦だった。

アジアの強豪・オーストラリアに2-1で勝利したアギーレジャパンアジアの強豪・オーストラリアに2-1で勝利したアギーレジャパン 前半、試合の主導権を握ったのはオーストラリアだ。守備では日本のパスワークを封じるべく高い位置からプレッシャーをかけ、攻撃ではテンポよくパスをつなぎ、日本陣内に攻め入った。

 そんな劣勢の時間帯、日本が活用したのはシンプルに前線へと蹴り込むロングボールだった。ブラジルW杯までの「自分たちのサッカー」にこだわるチームには、あまり見られなかったシーンである。

"ブラジルW杯以前"の日本代表なら、相手のプレッシャーを受けているときこそ、むしろそれをかいくぐればチャンスになるとばかりに、パスをつなぐことにこだわったかもしれない。そこには「ロングボール=逃げ」とでもいうようなネガティブな感情もあっただろう。

 だが、今の日本代表は違う。アギーレ監督がこともなげに言う。

「相手のプレッシャーがかかっているときにパスをつなぐのは難しい。そこでミスをすれば相手のチャンスに直結する。(ロングボールで自陣ゴールから)遠いところにボールを持っていって、相手陣内でプレイしなければならない」

 指揮官はネガティブな感情を抱くどころか、「当然のことをやっているまで」とでも言うように、こう続けた。

「前半に日本は2回のチャンスがあり、オーストラリアは1回だった。(武藤嘉紀のヘディングシュートが)オフサイドになったが、日本には3回目のチャンスもあった」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る