ガーナ戦後半は無得点。ここから学ぶ若きなでしこの課題
アジア大会2連覇を目指すなでしこジャパンが、壮行試合となるガーナとの一戦に臨んだ。世界大会以外で対峙する機会のないアフリカ勢との戦いは、対照的な前後半となった。
自身もゴールを決めた試合だったが試合後、反省を口にしたMF中島依美 ワールドカップを来年に控え、佐々木則夫監督はアジア大会2連覇というプレッシャーがかかる中で底上げを図ろうと、フレッシュな面々を招集した。限られた時間の中で落とし込みをして臨んだガーナ戦。スタメンは現在のベストとはいえ、5月のアジアカップ優勝時の主力メンバーは宮間あや(湯郷ベル)、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)、川澄奈穂美、髙瀬愛実(ともにINAC神戸)のみ。
初めて背番号「10」をつけた髙瀬が開始15秒でゴールを挙げて勢いづくと、その後は阪口、再び髙瀬、長船加奈(ベガルタ仙台)、中島依美(INAC神戸)が次々にネットを揺らし、前半で一気に勝負を決めた。
ゴール量産の一因としてガーナの準備不足が大前提にある。5ゴールを決めても、「厚みのある攻撃力」とも、「決定力不足解消」とも言い難いのが正直なところだ。
それでも特筆すべき動きを見せたのは宮間&阪口のボランチコンビだった。もともと互いの位置関係に対する意識が高い二人だが、この日のポジショニングの領域は広く、横へのスライドのみならず、特にタテ関係のバランスが絶妙だった。巧みにポジションを変わりながら、前に出た際には必ずバイタルエリアに顔を出し、セカンドボールへも隙なくツメる。"攻守の軸"を自由に体現した45分だった。ボランチがここまでの動きを見せれば、相手の状態を差し引いても前半の結果はもはや必然だった。
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