スタメン予想が楽しみになった新生日本代表の船出 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO SPORT

 FW武藤嘉紀(FC東京)に関しては、最近のリーグ戦7試合で5ゴールを挙げるなど活躍が目立ち、代表入りを推す声も多かったとはいえ、それ以外の4選手はほぼノーマーク。なかでもDF坂井達弥(鳥栖)とFW皆川佑介(広島)は目立った活躍どころか、今季J1での出場試合数すら限られているのだから驚きだ。

 坂井は今季4試合(すべて先発)、皆川は7試合(先発1試合)に出場したにすぎない。クラブでの活躍から代表入りを予想するのは、ほぼ不可能。正真正銘のサプライズなのである。

 だからというわけでもないが、ここで初選出組を簡単に紹介しておこうと思う。

 武藤はスピードとパワーを兼ね備えたアタッカー。現役慶応大生(4年)という肩書きでも注目を集める。現在FC東京では2トップの一角を務め、得点を重ねているが、元々は左サイドでのプレイを得意とするウイングタイプである。アギーレ監督が掲げる4-3-3の布陣でもハマるはずだ。

 MF森岡亮太(神戸)はテクニックに優れたプレイメイカータイプのMF。相手の急所を突くスルーパスを得意とするが、自らの得点力アップを課題にミドルシュートにも磨きをかけている。以前、当コラムでも取り上げたように、マルキーニョス、ペドロ・ジュニオールという強力FW陣を生かす存在として、神戸オフェンスのカギを握る選手である。

 DF松原健(新潟)は日本には珍しい長身(180cm)の右サイドバック。今季大分から新潟へ移籍し、開幕からレギュラーとして活躍している。タイミングのいい攻撃参加が魅力で、年代別日本代表の経験も豊富。09年U-17ワールドカップに出場しており、今回選ばれた日本代表メンバー最年少で、唯一のリオ世代(リオデジャネイロ五輪の出場資格である1993年以降生まれ)でもある。

 皆川は今季中央大から広島入りした186cmの大型ストライカー。佐藤寿人、石原直樹と小回りが利くFWが多い広島にあって、DFを背負ってボールをキープできる強さがある。空中戦にも強く、細かなパスワークを得意とする広島では異彩を放つ武器となっている。J1では前節(8月23日第21節)リーグ戦初の先発出場を果たした新鋭だ。

 そして、最後に坂井だが、Jリーグは毎年かなりの試合数を取材しているが、正直彼のプレイを見た記憶がほとんどない。左利きのセンターバックだというが、プレイの特徴を説明できるほどの情報を持ち合わせていないというのが、率直なところだ。

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