貧弱なセンターバックこそ日本代表の根本的問題である (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 昨年、U-17W杯に、日本チームを率いて臨んだ吉武博文監督は、前の試合に右ウイングで出場した選手をCBで起用するという大胆な方法をとった。守備的MFでプレイした選手をCBで起用することもあった。

「守備の不安はあるかもしれないが、この試合ではフィード能力を重視した。もちろん、試合に勝つために考えた選択です」とは吉武監督の弁だが、このような割り切りは、日本の現状にマッチしていると思う。

 かつてバルサのコーチをしていたバケーロに「バルサはなんでセンターバックを補強しないのか?」と尋ねれば、彼はこう答えた。「中盤の選手を下げれば良いだけの話。センターバックらしいセンターバックは、ウチのサッカーには向いていないんだ」と。

 ザックジャパンの平均身長は、ブラジルW杯に出場した32か国中30番目だった。日本は低身長国。だったらどうする――という考え方は不可欠になる。

 ちなみに最下位はチリ。そして31番目はメキシコだった。日本同様の悩みを抱えてきたメキシコ人監督、アギーレがこの問題とどう向き合うか。見どころのひとつだと僕は考えている。

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