奇跡にかけるコロンビア戦。主将・長谷部誠の「決心」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

長谷部誠が検証する
ザックジャパンのW杯(3)

 ブラジルW杯グループリーグ第2戦、日本代表はギリシャと対戦して0-0と引き分けた。試合のあと、最初にベンチから出てきた長谷部誠は、戦いを終えた選手たちの肩をたたきながら、ひとりひとりにねぎらいの言葉をかけて回った。それから数十分後、ミックスゾーンに現れた長谷部の表情は、憤りを通り越して、どこか悲しげだった。

「今日の結果は、残念というか、悔しいです」

 その声は、少し震えているようだった。

長谷部誠(左)も奮闘したが、ギリシャ戦は引き分けに終わった。長谷部誠(左)も奮闘したが、ギリシャ戦は引き分けに終わった。 日本とギリシャは、ともに初戦を落として、互いに負けられない一戦だった。序盤、主導権を握ったのは、日本だった。初戦のコートジボワール戦の反省から、「前から積極的にプレスをかけていこう」ということが、チーム全体で意思統一されていた。その動きは、初戦とは比べ物にならないほどの迫力があった。

「やはり、初戦で不甲斐ない試合をしてしまったので、それを払拭したかった。今回は(チームとして)ゲームの入り方も良かったし、前への意識もあった。ボールを取られたらすぐに取り返すという、攻守の切り替えもできていた。いいリズムで試合を運べていたので、やっていて手応えはありました」

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