長谷部誠が語ったコートジボワール戦、本当の敗因

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 スコアのうえでは1-2。だが内容的には、完膚なきまでに叩きのめされた完敗である。

 決勝トーナメント進出のためには非常に重要なグループリーグ初戦で、日本はコートジボワールに逆転負けを喫した。

本田圭佑、香川真司のエースふたりの見せ場は少なかった本田圭佑、香川真司のエースふたりの見せ場は少なかった 前半16分にFW本田圭祐が鮮やかな先制ゴールを叩きこんだ以外、まったくと言っていいほど見せ場のない試合だった。キャプテンのMF長谷部誠は「今日は前半も後半も自分たちのサッカーが表現できなかった。それが一番」と敗因を語る。

 では、長谷部の言う「自分たちのサッカー」とはどんなものなのか。

 ザッケローニ監督が頻繁に口にする言葉を借りるなら、「主導権を握って試合を進めるサッカー」ということになるのだろう。

 相手がボールを持った状態で守りを固め、一発のカウンターを狙うようなサッカーを目指してきたわけではない。あくまで自分たちで長くボールを保持し、攻め続ける。それこそが「主導権を握る」の意味だ。

 ところが、この試合は90分を通してボールはほぼコートジボワールに支配され続けた。

 試合を通じて見られたのは、連動性に欠けた日本の守備陣形。FW大迫勇也と本田が高い位置からプレスをかけようとしても、これに反応してボランチやDFラインが押し上げる様子はなかった。必然、チーム全体が間延びし、次々にパスをつながれた。大迫は「一人ひとりの距離が遠くて、重心が後ろに下がった戦い方になった」と話す。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る