2014.01.17

U-21手倉森ジャパン初陣。原動力は選手に芽生えた強烈な野心

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by Getty Images

 U-21日本代表を率いる手倉森誠監督が、4-4-2で戦う利点について力説したのは、1月11日からオマーンで行なわれているU-22アジア選手権、イランとの初戦前日のことだった。

「2トップにすることで、攻撃では縦関係、横関係と柔軟性を持てるし、守備では幅広くプレッシャーを掛けられる」

 ところが、2戦2分けで迎えたオーストラリアとのグループリーグ最終戦でピッチ上に描かれたのは、4-4-2ではなく、4-3-3だった。

グループリーグ3試合で3ゴールを決めている中島翔哉 練習でも一度も試したことのないシステム――。

 しかし、勝利が義務付けられた大一番で、博打(ばくち)に打って出たわけではなかった。オーストラリアの戦い方を分析したうえで、日本の選手たちの柔軟性、戦術理解度の高さも考えて導き出された最善の戦い方だったのだ。「勝つ確率が一番高いと思ったのが、これだった」と、手倉森監督は明かした。これが見事にハマり、日本はオーストラリアに4-0で完勝してグループリーグ2位となり、決勝トーナメント進出を決めた。

 オーストラリアといえば、ロングボールを蹴り込んでくる印象が強いが、今大会のチームはマイボールを大事にし、パスをつなごうとする傾向が強い。試合中に4-2-3-1と4-3-3を使い分け、中盤中央の3人がポジションを変えながらボールに絡んでくる。

 その3人に対し、日本はアンカーの吉野恭平(東京V)、その前方の原川力(愛媛)と喜田拓也(横浜FM)がマッチアップ。原川と喜田がプレスを掛けてボールを奪い、ショートカウンターを狙った。

 相手のポジションチェンジには、同じように流動的に変化して対応した。オーストラリアの中盤3人の動きに対し、「喜田が下がり、原川がトップ下になって対応するように」とのリクエストが、指揮官から出されていたという。

 そうした狙いは、キックオフからの数分間でくっきりと見えていた。原川が言う。