2013年総括。自己矛盾のザッケローニに未来はあるのか? (5ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva photo by AFLO

飯尾 たしかに、長友はザックジャパンの攻守両面でキーマンなので、このままコンディションが上がってこなかったら結構、本大会で日本の左サイドは機能しなくなってしまうんじゃないかっていう懸念があります。

杉山 あと、吉田と同じく伸び悩んでいるのが、清武(弘嗣)。デビューしたときは香川と絡んでアシストしていたけど、今は視野が狭くなって、プレイ中ずっと下を向いている。スケールが小さくなって、得点を決める匂いがまったくしない。

浅田 野球に例えるなら、守備固めの内野手みたいなポジションになっちゃった。セカンドもショートもサードも守れます、みたいな(笑)。

――あと、本田と香川の2013年はいかがでしょう?

杉山 本田はおそらく、ひざや足首が相当悪いんだろうね。昔より無理が効かないから、アジアカップのときのように、数人を相手にボールをキープする力はない。たしかに相変わらずチームの大黒柱なのは間違いないけど、試合によってはブレーキにもなっていた。オランダ戦の前半は、完全にブレーキになっていたよね。

浅田 あと、コンフェデのメキシコ戦でもブレーキになっていた。

飯尾 最後は完全にふらふらの状態で、歩いていましたからね。

杉山 ミランに行ったことで、そこから勢いがつけばいいんだけど……。

飯尾 一方の香川は、2013年も相変わらず元気がなかったですね。

浅田 昔は「香川をどうやって生かすべきか?」という話題が出ていたけど、今は全然ない。それは、香川が良くなったわけじゃなく、チーム全体が悪くなったから、そこに香川問題が埋没しただけ。香川はずっと日本代表で良くないよね。

杉山 気弱になっているんじゃない? ドリブルで抜けなかったらどうしよう、とか。代表での香川は、メンタリティがフォワードではなくてミッドフィルダー。ボールを受けてゴールを決める役目なのに、また本田にパスしている。それが最大の間違いだね。

飯尾 結局、ザックは今年最後まで香川を生かしきれなかった。その問題はアジアカップからずっと続いている。

浅田 たしかに、本人の調子やゲーム展開によっては、香川を外す、という選択があってもいいと思いますよ。

飯尾 オランダ戦のように、後半から投入して輝きを放ったケースもありましたからね。

※後編に続く


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