ザックJの大命題。残り半年で試すべき選手と布陣
ブラジルW杯ベスト8への道
ザックジャパン座談会(後編)
前回のコラム(「2013年総括。自己矛盾のザッケローニに未来はあるのか?」)では、識者3人に「2013年のザックジャパン」について総括してもらった。新年を迎えれば、ワールドカップ本番まであと6ヵ月しかなく、残された時間は限られている。後編では、2014年、ザックジャパンの向かうべき方向について語ってもらった。
日本代表で本来の実力を発揮し切れていない香川真司をどう扱う?――まずは、グループリーグの組み合わせを見て、率直な感想を聞かせてください(日本はコロンビア、コートジボワール、ギリシャと同組)。
浅田真樹(サッカーライター/以下、浅田) グループリーグを突破できるかどうかは別にして、考えられるすべての組み合わせを照らし合わせると、たしかに恵まれたほうかと思う。ただ、厳しい戦いになるのは、どの組になっても当たり前。日本が簡単に勝てる相手は、そもそも出場する32ヵ国の中にないわけだし。
杉山茂樹(サッカーライター/以下、杉山) 僕はやっぱり、グループリーグの話だけするのが嫌なのね。その先の話もセットにして考えないと。目標はベスト8なんだから。
飯尾篤史(サッカーライター/以下、飯尾) そうですよね。日本がグループリーグを突破すれば、決勝トーナメント1回戦の相手は、ウルグアイか、イタリア、もしくはイングランド。
杉山 イタリアと当たれば、俺が監督なら「しめた!」って思うけど。勝てば初のベスト8でしょ。「私の夢は、母国イタリアと決勝トーナメント1回戦をやって勝つことだ」くらい言ってほしいよ。こっちはベスト8に望みを託して、そのためにザックを呼んだんだから。
飯尾 決勝トーナメント1回戦の相手は「死のグループ」で激戦を勝ち抜いてくるわけだから、1回戦の相手が日本だと思ったら、気が緩むんじゃないですか?
杉山 そこに期待したいけどね。もし相手がイングランドだったら、今の日本なら勝てると思う。日本のような動き回るサッカーにイングランドは弱いから。でも、あのグループでイングランドは厳しいだろうなぁ......。ウルグアイに勝つのは正直ツラいから、やっぱり当たりたいのはイタリアだよ。
飯尾 コンフェデのときはイタリアがナメていたというか、気が緩んでいたり、コンディションに問題があったから、日本が2点を先取することができたけど、次に当たるときはイタリアも警戒してくるでしょうね。本大会でも当たる可能性があるなら、コンフェデで善戦しないほうが良かったかも(苦笑)。
浅田 油断させる作戦、ね。
1 / 5