2013年総括。自己矛盾のザッケローニに未来はあるのか?
ブラジルW杯ベスト8への道
ザックジャパン座談会(前編)
2013年のザックジャパンは、6月にW杯ブラジル大会への出場を決め、その直後のコンフェデレーションズカップを3試合で終え、若手主体で東アジアカップを経験後、ヨーロッパで親善試合を4試合こなして幕を下ろした。結局のところ、ザックジャパンの2013年はどんな1年だったのか、3人の識者を集めて総括してもらった。
2013年のザッケローニ監督の采配は良かったのか、悪かったのか?――さっそくですが、2013年のザックジャパンを振り返って、良い1年だったと思いますか?
杉山茂樹(サッカーライター/以下、杉山) 2013年最後の2試合(11月16日・オランダ戦/2-2、11月19日・ベルギー戦/3-2)は結果を残したけど、1年間の流れは全体的に良くなかったんじゃない?
飯尾篤史(サッカーライター/以下、飯尾) 10月の欧州遠征のころはどん底という感じでしたから、V字回復しましたね。
浅田真樹(サッカーライター/以下、浅田) 6月のコンフェデでブラジルに惨敗(0-3)し、イタリア戦(3-4)で若干盛り返したけど、8月のウルグアイ戦で4失点。あのときの雰囲気は、かなりひどかったね。
杉山 あのときにザックを代えても良かったんだよ。僕は前々から代えたほうがいいって思ってるし。
飯尾 いつごろからですか?
杉山 アジアカップ(2011年1月)で優勝したあたりだね。
飯尾 そんなころからですか!?
杉山 「代えるor代えない」の意見の割合が「50対50」なら、僕は代えたほうがいいと思ってるの。でも、2012年に契約がすんなり2年延長になったでしょ。結果的に、日本は16年間も代表監督を契約期間の途中で代えていない。代表監督を更迭する文化がなくなったのが問題。
浅田 加茂(周)さんが最後ですよね(1997年、フランスW杯アジア最終予選の途中で更迭)。
杉山 だから10月の親善試合でセルビア(0-2)とベラルーシ(0-1)に連敗したとき、そういう議論がもっと沸き起こってほしかった。4年間、代表監督のポジションを丸投げにしている日本サッカー協会の体制は良くないよ。
浅田 コンフェデでブラジルに負けたのは、ある意味、実力的に仕方のないこと。イタリア戦(3-4)も負けたけど、内容で納得できる部分はあった。でも、セルビア戦やベラルーシ戦は負け方すら悪かったから。
1 / 5