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W杯日本の対戦国を徹底分析。最悪3連敗もあり得る! (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 三村高之●写真 photo by Takayuki Mimura

 実際、欧州でプレイする選手の数もここ数年で急増。対応の幅が広い選手で固められている。そのうえで、何人か特別な才能を持つ選手がいるわけだ。ファルカオはその代表的な選手。いま最も優れたセンターフォワードを1人挙げよと言われれば、僕はこの選手を一番に推す。ダイナミックな躍動感溢れるプレイは圧巻。スピード感もあれば、豪快さもある。日本のディフェンダーには止められないと思う。

 弱点をあえて探れば、W杯本大会で実績がない点になる。最高位はベスト16。世界ランク(現在4位)とのギャップがどう出るか。チャレンジャー精神は旺盛だが、王者の風格はない。監督ペケルマンの采配に注目が集まる。

 初戦で当たるコートジボワールは前々回ドイツ大会、アルゼンチン、オランダという強国と同組になり3位に終わった。前回南アフリカ大会もしかり。ブラジル、ポルトガルと同組になり3位に終わったが、4年前より惜しい敗れ方だった。力で一枚劣ったに過ぎなかった。

 そして今回。新たなスター選手が誕生したわけではない。チームの顔は35歳になったドログバだ。タレント的には新鮮みに欠ける。だが、彼らには2大会連続グループリーグ3位という実績がある。経験者が多くいる。4年前のカメルーンが見せたような"自滅"はないと考えるべきだ。

 それでも弱みはある。それはアフリカ勢が依然として準々決勝の壁を破れずにいることと大きな関係がある。選手ひとりひとりの身体能力は確かに高い。局面で圧倒される可能性は高いが、選手の動き、リズムがほぼ同じなので、単調さは否めないのだ。試合開始早々こそその身体能力に驚かされるが、抑揚がないので、時間が進むにつれ目は慣れてくる。そこにシャビがひとりいれば、シャビ・アロンソがひとりいれば。だが、試合のリズムを変えられる選手がブラックアフリカにはいない。コートジボワールも例外ではない。試合を観戦しながら毎度思うことだ。

 それだけに、初戦でこのコートジボワールにやられると、日本は大ピンチに陥る。最後に控えるコロンビアが強いからという理由だけではない。

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