欧州遠征2連敗も、岡崎慎司だけがポジティブな理由

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano MIKI

 一方、懸念されていた守備面はどうだったのか。2試合で3失点の内訳は、セットプレイとカウンター、そしてミドルシュートだった。

「今回、守備はそんなに悪くなかったと思う。完全にやられたシーンはそんなになかった。相手にかわされてピンチになった場面もあったけど、何回もあったわけじゃない。全体の守備意識は高いし、(一時期より)ミスも減った。徐々に良くなっている手応えは感じている。そして実際、強い相手に対して守備が機能するかどうかわかるのは、次のオランダ戦(現地11月16日)とかでどのくらいやれるか、でしょうね」

 攻撃は新しいことに挑戦している。守備も良くなる兆しを見せている。それでも、得点はゼロに終わって、連敗した。その現実を踏まえると、7月の東アジアカップで結果を出した(3試合で8得点し優勝)チームのように、ザックジャパン本来のスタイルである、サイド攻撃を主体とした戦いに磨きをかけていく手もあるのではないだろうか。新たなチャレンジにとらわれ過ぎるのは危険ではないか。改めて、岡崎に問う。

「いや、こういうチャレンジは今しかできないと思うんです。W杯に出て、いい試合をしたけれども、負けました、というのはあってはならないこと。W杯本番が近づいてきて、自分たちは勝つ確率を高めなければいけないし、いいサッカーから勝つサッカーに近づけていかないといけない。そこに移行するところで、今は壁にぶつかっているというか、(移行することの)難しさを感じているけれども、それはチームが成長するためには仕方のないこと。

 今回は、セルビアにもベラルーシにも勝てなかったけど、落ち込んでいるわけにはいかない。自分たちも、ただで負けてはいない。新たなステップにチャレンジしているという自負を持っているし、つかんだものもある。このあとは、監督が指摘した反省点と、自分たちで認識した反省点とを重ね合わせて、次(11月)の欧州遠征2試合に臨んでいければいい。W杯で世界を驚かすことが、自分たちの大きなモチベーションになっているので、今はそのために、生みの苦しみを味わっている感じです」

 攻撃パターンを増やす作業を継続し、オランダなどの強豪に勝つことができれば、大きな自信になることは間違いない。それは、決して簡単なことではないが、高みを目指すチャレンジがなければ、W杯ベスト16という前回の結果を超えることもできない。岡崎のポジティブな姿勢は、ある意味、本当の危機感の表れなのかもしれない。

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