中村憲剛が語るvsメキシコ
「前回のW杯1年前とは明らかに違う経験値」
コンフェデレーションズカップで日本は、ブラジル、イタリア戦に続いて、第3戦のメキシコ戦も1-2で敗れた。この日、後半32分から途中出場を果たした中村憲剛は、ミックソゾーンに姿を現した際、少し気だるい雰囲気を漂わせていた。表情も渋く、さすがに3連敗のショックを隠せないでいた。それでも彼は、メキシコ戦と大会全体を通しての、日本の戦いぶりについて冷静に分析してくれた。
メキシコ戦では途中出場の中村憲剛が停滞していた日本の攻撃に勢いを与えたが......。 メキシコ戦は、イタリア戦でいい試合ができたので、それを自信にして、勝たなければいけない試合だった。いい試合をしても、勝てなければ「いいチーム」というだけで終わってしまう。結果を出すことで、さらに自信も深まるわけだし、自分たちにとってメキシコ戦は、単なる消化試合ではなく、非常に重要な試合だった。
試合の入りは、悪くなかった。
互いに自分たちのスタイルに引きずりこもうと駆け引きしている中、ベンチから見ている限りでは、序盤は日本のほうが良かった。イタリア戦のときのようなハイテンポな形ではなかったけれど、攻撃のリズムも作れていた。そんな自分たちの流れになっているときに、点が取れるか取れないかが重要になってくるんだけど、結局ゴールは奪えなかった。オカ(岡崎慎司)が決めたシュートがオフサイドになるなど、ちょっとツキがなかった。
流れが(メキシコに)傾いたのは、前半25分過ぎぐらいからだった。ボールの取られ方が悪くなって、そこからカウンターをくらうことが多くなった。それで、全体が間延びして、攻守に行ったり来たりする展開になってしまった。ベンチから見ていると、ピッチにいる選手たちは、体力的にかなりキツそうだった。
それでも、前半は0-0。よく凌(しの)いだと思う。
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