2013.06.24

コンフェデ3連敗を総括。日本の問題は華麗なパスワークにこそある

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

メキシコ戦後半21分、エルナンデスに2点目を決められた日本 ブックメーカーの予想はグループリーグ最下位。ブラジル、イタリア、メキシコ相手に3連敗は、想定通りの結果だった。とはいえ、その事実を突きつけられると、楽観論を唱える人はさすがに減るはずだ。日本は強いんだと、強者論を振りかざし「行ける、行ける」とムードを煽る人も減るだろう。

 多くのメディアはこれまでその調子で視聴率を稼ぎ、部数を伸ばそうとしてきた。アジアの弱小チーム、親善試合で来日するB代表クラスのチームに辛勝しても「勝った、勝った」と、大喜びを繰り返してきた。強豪との対戦は数えるほど。勝ちやすい設定の中で試合を行ない、勝てば喜んだ。そしてそれに異を唱えれば、ネガティブな志向の持ち主だと揶揄された。

 異端者扱いしようとしたわけだが、このやり方が通じにくくなることは確かだ。いいことだと僕は思う。限りなくゼロに近かった批判精神が、これを機に少しは芽生えるに違いない。

 もう少し言えば、敗戦を語ることの楽しさを知る機会になればと思う。勝利を喜ぶだけがサッカーの楽しみではない。世界の人は、不甲斐ない敗戦を喫した自軍を自虐的になってコキおろすことにも、エンタメ性を見いだしている。サッカーが世界ナンバーワンスポーツとして君臨する理由でもある。勝ったときにしか喜べないスポーツなら、弱い国は楽しめないわけで、だとすれば、世界中で盛んになることはない。

 サッカーと他のスポーツとの違いはまさにそこ。サッカーらしさとは、敗戦を楽しむ文化であり、それが定着しない限り、サッカー人気は永遠のものにはならない。