コンフェデ杯、全敗。「3試合9失点」を守備陣はどう考えているのか?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

メキシコ戦でも勝てず3戦全敗となり、がっくりと肩を落とすザックジャパンの面々メキシコ戦でも勝てず3戦全敗となり、がっくりと肩を落とすザックジャパンの面々 岡崎慎司のゴールで1点差に詰め寄ると、同点を狙ってなおも攻勢に出る。しかし、5分という長いロスタイムが終わり、無情にもタイムアップの笛が鳴り響いた。3戦全敗----。勝ち点1すら獲得できず、ザックジャパンのコンフェデレーションズカップは幕を閉じた。

 もっとも、全敗という成績もさることながら、それ以上に重くのし掛かるのは、「3試合9失点」という失点の多さだ----。「守備崩壊」と言われても仕方のない数字である。この結果について、「責任を感じる」と嘆いたのは、ディフェンスラインを統率してきた今野泰幸だ。質問者の眼を真摯に見つめながら、「残念としかいいようがない」と唇を噛みしめた。無念さが募るのは、この試合に向けて守備の綻(ほころ)びを縫う作業を入念に試みてきたから、でもある。

「ミーティングや練習中、監督が修正してくれた。個人的には、ラインをこまめに上げ下げし、相手FWとの駆け引きの中で主導権を握りたい。一瞬の隙が命取りになるから、90分間集中してリスクマネジメントしたい。最後の局面では身体を張って、次(メキシコ戦)こそゼロに抑えたいですね」

 前日にそう意気込んでいただけに、2失点という結果に悔しさを滲ませた。

 失点の山は、初戦のブラジル戦で開始3分に喫したネイマールのスーパーゴールから築かれた。その山に、パウリーニョ、ジョー、デ・ロッシ、オウンゴール、バロテッリ、ジョビンコのゴールが加えられ、最後はエルナンデスの2ゴールが添えられた。

 そのうち、流れの中から奪われた失点は「6」。PKを含むセットプレイからの失点が「3」。これを時間帯別に見てみると、いかに重い失点だったかがよく分かる。サッカーというスポーツは、開始と終了の10分間は集中が切れやすく、そこが勝敗を分けると言われている。しかし、実に9失点のうち8失点が、この時間帯に喫したものだったのだ。

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