イラク戦は「代表サバイバル」第一弾。
チャンスをつかむのは誰か?
日本にとってはワールドカップ予選最後の試合となるイラク戦を翌日に控え、ザッケローニ監督が口にした言葉はちょっとした驚きだった。
「ワールドカップ予選とコンフェデレーションズカップまでが、このチームのひとつの区切り。その後の1年は(チーム作りの)最終章に入ると言える」
ここまでなら驚くには及ばない。すでにワールドカップ出場が決まったオーストラリア戦後にも同様の趣旨の話をしていたこともあり、いわば一般論を述べているにすぎないとも言える。
これまで先発メンバーはほぼ固定されていたザックジャパン。今後のレギュラー争いに注目が集まる しかし、ザッケローニ監督はさらに一歩踏み込み、こう続けた。
「コンフェデまでは、これまで戦ってきたグループ、主役を演じてきた選手で臨むが、その後は全員がスタート地点に戻って、そこから競争が始まる。Jリーグでもいい若手が育っているし、いい競争になると思っている」
確かにオーストラリア戦後にも、「(今後も)チーム全体として成長していかないといけない」としたうえで、新しいオプションを取り入れていく可能性を示してはいた。だが、ここまで具体的にザッケローニ監督が「一から競争が始まる」と明言するのは、これまでになかったことだ。
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