2013.01.20

【日本代表】酒井宏樹
「僕は、(内田)篤人くんのようなプレイはできない」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

ブラジルW杯出場に意欲を見せる酒井宏樹。ブラジルW杯まで507日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第11回:酒井宏樹(後編)

 2012年、酒井宏樹は所属するハノーファーでは苦悩のシーズンを過ごしてきた。しかし日本代表では、5月のアゼルバイジャン戦でデビューを果たし、以来代表メンバーに定着。クラブで出場機会に恵まれていない中でも、ザッケローニ監督は必ず酒井を招集するなど、彼に対する期待の高さがうかがえる。

「でも、監督からは特に褒められることはないんですけどね」と苦笑する酒井だが、ザッケローニ監督からは具体的にどういった指示を受け、どんなプレイを求められているのだろうか。

「監督には、守備のポジショニングについて、細かく言われます。例えば、両サイドがともに上がったらダメなので、高い位置を取っている左サイドの(長友)佑都くんとのバランスをどう取るか、すごく気を使っています。『行けるときは行け』と言われていますけど、常に佑都くんの状況を加味しながらプレイしていますね。もちろん、ポジショニングだけじゃなく、他にも細かい指示がたくさんあります。ちょっとサボったりすると、すごく怒られますし(笑)」

 ザックジャパンの右サイドバックと言えば、これまでは内田篤人(シャルケ)が不動の存在だった。ポジションを争う最強のライバルについては、どう見ているのか。

「篤人くんの良さは、高い技術力、そしてビルドアップ。さらにポジショニングがすごくいいですよね。同じポジションなのでよく比較されますが、僕は篤人くんのようなプレイをしようと思ってもできないし、今から篤人くんのプレイの真似をしても追いつけるわけがない。だから、自分ができることをするしかないと思っています。『守備が軽い』とか『戻りが遅い』と評価されても、自分の役割は攻撃をサポートすることだと思っていますから、積極的に(目の前の敵に)バチバチ当たりに行きますし、前にいる選手と2対1を作って、その選手を追い越したり、無駄走りもメチャメチャしたりします。僕は、そういうプレイで貢献するしかないですから」