【なでしこ】 「奇跡の16歳」土光真代。女子高生DFは名門でレギュラー定着を狙う (4ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by AFLO SPORT

■オフの日はお菓子作りもする普通の16歳

 日々成長を続ける16歳のオフの過ごし方には、等身大の女子高校生の素顔がのぞく。

「オフの日は、録画しておいたテレビ番組を見ます。『名探偵コナン』と『やべっちF.C.』は毎週かかさず見ています。あと、お菓子作りも好きです。チョコケーキとか、ブラウニーとか。感動するほど美味しい、ということはないんですけど......。あ、この間作ったチーズケーキは美味しかったです! お母さんのお姉さんがパティシエで、パン教室を開いたりしているのでレシピを教えてもらったりします。

 平日は学校と練習が終わって、家に帰るのは夜11時ぐらい。夜は、木曜日はクラブハウスで食べて、普段は家でお母さんが作ってくれます。好きなのは、チゲ鍋。最後の雑炊が好きなんです。スパゲッティとかハンバーグとか、コロッケも好きですよ。ご飯を食べて、12時すぎぐらいには寝ちゃいます」

 学校で得意な科目は? と聞くと、意外な答えが返ってきた。

「得意な科目は音楽です。リコーダーが得意です。あと体育は今、必修でゴルフをやっているんです。小さいスペースでネットに向かって打っています(笑)。よく聴く音楽は、ナオト・インティライミとか、EXILEとか、流行りの歌です」

 そんな高校生としての生活と同時に、リーグ戦、カップ戦、代表候補合宿、そしてU-20W杯と、なでしこジャパンの選手たちに勝るとも劣らない多忙なシーズンを駆け抜けた土光の2012年は、刺激に満ちていた。

「ベレーザで、最初はついていくだけで精一杯でした。周りの選手がミスをカバーしてくれたり、声をかけてくれて。ラインコントロールで自分だけ下がっていることもあったので、その度にイワシさんや須藤(安紀子)さんから教えてもらいました。

 今後は、まずはチームで試合に出続けられるようにすることと、2年後のU-20ワールドカップを目指してやっていきたいと思っています。なでしこジャパンは、あまり意識しないようにして、今できることをやっていければと思っています」

 現在16歳の土光は、2年後の2014年U-20女子W杯にも出場できる。さらに4年後(2016年)U-20女子W杯の出場も可能だ。その未来には限りない可能性が広がっている。まずはこの2年間、リーグでコンスタントな活躍を見せることが、なでしこジャパン入りへの布石となるはずだ。現在開催中の皇后杯、そして新シーズンでの土光の活躍に注目したい。

Profile
土光真代(DOKO Mayo)
1996年5月3日生まれ(16歳)埼玉県戸田市出身
DF 161cm 
背番号 23

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