【日本代表】格の違いを見せるも辛勝。
イラク戦で感じた物足りなさの正体

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

前田遼一のゴールでイラクに勝利するも、本田圭佑は決定機を決めきれず「不完全燃焼」前田遼一のゴールでイラクに勝利するも、本田圭佑は決定機を決めきれず「不完全燃焼」 ワールドカップ最終予選4試合目となるイラク戦は、日本が1-0で勝利した。

 これで通算成績は3勝1分け。勝ち点は早くも10まで伸びた。

 最終予選はまだ半分を終えたばかりにもかかわらず、もはや本大会への出場権には指先で触れられるところまで来ている。試合後のザッケローニ監督が「結果には満足している。(最終予選5カ国の)グループのなかでも、いいポジション(首位)につけている」と、納得の表情で話すのも当然だった。

 だが、過去3試合との比較で言えば、90分間を通じて、これほど日本がリズムに乗れなかった試合はない。イラクのなりふり構わぬマンツーマンディフェンスの前に、得意のパスワークを封じられ、奪った得点は1点のみ。フィジカルコンタクトでも劣勢を強いられ、球際の争いに負けるシーンも目についた。

 日本はボールポゼッションでも、チャンスの数でも、イラクを上回ってはいたものの、最後まで自分たちのペースをつかめずじまい。本田圭佑が口にした、「不完全燃焼」という言葉に象徴されるような試合だった。

 試合序盤は、イラクの迫力に日本が圧倒されていたと言ってもいい。開始5分のCKから、最初の決定機を迎えたのもイラクだった。

 対して日本は、マンツーマンでマークされているにもかかわらず、中盤の足元でパスをつなごうとしてはボールを奪われ、カウンターを受ける悪循環に陥った。

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