【名波浩の視点】イラク戦でも課題克服ならず。2点目が取れない理由

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

イラク戦では攻撃の核となる本田圭佑(写真)と遠藤保仁を抑えられて苦しんだ。イラク戦では攻撃の核となる本田圭佑(写真)と遠藤保仁を抑えられて苦しんだ。 6月の3連戦以来となるW杯最終予選のイラク戦、日本は苦しみながらも1-0で勝利した。勝ち点3を取れれば内容うんぬんは関係ないと思っていただけに、その結果は十分に評価されるべきだろう。

 何より大きかったのは、試合序盤のピンチを防いだこと。マン・オブ・ザ・マッチに選出されたとおり、川島永嗣のファインセーブが光った。

 相手のイラクは、エースFWのユーヌス・マフムードをはじめ、主力と思われた選手たちがベンチに控え、これまでの試合とは違うメンバーがピッチ上に顔を並べた。おそらくスカウティング情報にもないような代表初出場の選手もいて、日本の選手は戸惑ったと思う。特にセットプレイでは、誰がどういうタイプの選手で、ヘディングの強さはどれぐらいなのかとか、誰がゴール前に飛び込んでくるのかといったことがまったくわからず、その対処に間違いなく混乱していたと思う。そうした状況の中で、川島が本当によくシュートを弾き返してくれた。

 ただ、試合全体を通してみると、やはり日本はよく研究され、日本の良さを完全に消されていた。遠藤保仁、本田圭佑という攻撃の生命線となるふたりに、イラクがほぼマンマークで対応。これまでの3試合と比べると、彼らがボールを保持していた時間は明らかに短く、そこを抑えられたことでゲームの流れをつかめなかった。それが、日本が苦戦を強いられた原因だった。

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