2012.08.18

【日本代表】五輪世代がザックジャパンに食い込む隙はあるか?

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

ドイツと五輪での経験を生かし、ザックジャパンの一角を狙う酒井高徳 8月15日に行なわれたベネズエラ戦の招集メンバーが発表されたのは、五輪代表が銅メダルを懸けて韓国と3位決定戦を戦う2日前、8月9日のことだった。

 オリンピックで44年ぶりにベスト4に進出した彼らの中から、いったい何人がA代表に名を連ねるか――。関心のひとつはそこにあったが、結局選ばれたのは、吉田麻也、酒井高徳、権田修一の3人だけ。吉田はオーバーエイジでの参加だったから、実際にはふたりだけしか選ばれなかった。A代表経験者の酒井宏樹と清武弘嗣に関しては、「できれば呼びたかった」とザッケローニ監督は明かした。ただ、両者とも左足首の捻挫(酒井)とコンディション不良(清武)のため、招集を見送らざるを得なかった。

 しかし指揮官は、「五輪代表とA代表はスタイルが違う」「大きく変えるより、うまく行っている現状路線を踏襲(とうしゅう)すべきだと思っている」とも語っている。だとすれば、五輪代表の多くがA代表に食い込んでいくのは、簡単なことではなさそうだ。

 現在のA代表は、「史上最強」との呼び声も高く、スタメンのほとんどが欧州組で占められている。しかも、昨年1月にアジアカップを制したときから1年半以上、レギュラーの顔ぶれが変わっていない。そのため、戦術面での浸透度も高く、連係も試合を追うごとに磨きが掛かっている。

 6月に開幕したW杯アジア最終予選では、オマーンを3-0、ヨルダンを6-0で一蹴し、最大の難敵オーストラリアとのアウェーゲームも1-1で切り抜けた。かつてないほど快調なスタートで、チームの骨格は出来上がっているようにも見える。

 とはいえ、最終予選の佳境に向けて、あるいはブラジルW杯本番に向けて、ザッケローニ監督もオプション作りの必要性は感じているに違いない。そう思わせたのは、ベネズエラ戦後半の采配だ。就任以来、初めて本田圭佑の1トップを試したのだ。それが機能すれば、五輪代表の攻撃陣が食い込む余地も生まれてくるように思える。