【なでしこジャパン】全6試合を総括。この悔しさが未来につながる (4ページ目)
そして決勝のアメリカ戦。ブラジル戦、フランス戦と苦しんだのが嘘のように、選手たちは躍動した。今大会初めて、なでしこらしいサッカーが見られた。前線からの果敢なプレス、相手を翻弄するパスワーク、全員守備。アメリカは2点を取りながら、最後まで気を抜くことはできなかった。大儀見の一発で一矢報い、その後も攻め続けたが、決着は90分間でついた。なでしこたちはその場でがっくりと崩れ落ちた。
表彰式では大儀見、大野、澤らの笑顔が印象的だった。先輩たちから引き継いだ年月も、思いも、自分たちの苦労も、全てが詰まった笑顔に見えた。
今大会でMVP級の活躍を見せた大儀見が言う。
「結果にこだわることというのは大切だと思う。結果に向かってがんばっていくことの大切さを伝えていきたい。そこに一番の悔しさがつまっているので、がんばることの大切さを次につなげていきたいです」
大会前に懸念されたのは澤のコンディションだった。最終的にはきっちりとコンディションを高め、試合では若い誰よりも走り切った姿はさすがだった。澤抜きのチームがいまだに見えてこないのは今後に向けた課題でもある。幸い銀メダル獲得で「悔しいからもう少しやりたい」と、澤も話しているようだ。ひとり突出した選手が出てくる必要はないが、やはり澤がいるうちに、もう少しチーム力をアップする必要はありそうだ。
充実感と喜びと、一抹の悔しさがつまった銀メダル。でも、その悔しさがあるからこそ、未来へとつながっていくのかもしれない。
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