【なでしこジャパン】全6試合を総括。この悔しさが未来につながる (2ページ目)
この試合後、いつも明るくやんちゃな大野忍が不機嫌だったのが印象的だった。
「負けなくて良かったと思いますけど」
実際、そんな試合だった。
続く南アフリカ戦は、スウェーデン戦前後から流れていた"ドロー狙い"の話題に集中した。2位になるためにはこの試合で引き分けなくてはならなかったため、嫌悪感を示す者も、理解を示す者もいて、少々バラバラ感があった。
もっとも、狙って引き分けるなどという芸当は、よほど力の差がない限りできない。また、決勝までの道のりを考えた上での戦略と考えれば決して悪いことでもない。ましてやわざと負ける無気力試合とは違う。とはいえ、わざわざ報道陣の前で引き分け狙いを指揮官が明かす必要があったかといえば、疑問だ。もう少しずるがしこくても良かったかもしれない。
実際、南アには苦しめられ、試合終盤まで攻め込まれるひやひやした試合をなんとかスコアレスドローに持ち込んだ。
「すごく苦しかったし、難しかった。無失点で、ノーリスクで、となると前も攻められなくて下がっちゃうし」と、岩清水は振り返った。結果は吉と出た。なでしこの実力あってこその2位通過だった。
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