【なでしこジャパン】白星発進!川澄、大野のポジションを変えた意味 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by JMPA

 両足を自由に操る宮間については、言わずもがな。左右どちらのプレイも、まったく遜色がない。

 そして喜ぶべきポイントをひとつ加えるとするならば、前半5分には右サイドからの近賀のクロスに飛び込み、右足のボレーでこの試合最初のシュートを放つなど、流れのなかで何度も前線に顔を出すシーンが目立った澤の復調ぶりだろう。

 先制点の場面でも、川澄のゴールの2つ前のプレイで“ヒールの大野”に柔らかいボールを送ったのは澤だった。守っても、ときに強烈なスライディングタックルを見せるなど、体を張ったプレイが戻ってきた。

 かねてより「ロンドンでピークに持っていければ……」と語っていた日本のエースは、試合後「五輪に合わせるって言ったじゃないですか」と久しぶりの笑顔を覗かせた。

 快勝とはいかなかったものの、危なげない戦いぶりは光った。次戦の相手は、同日に南アフリカに4-1で勝ったFIFAランク4位のスウェーデンだが、視界は良好だ。勝てば3大会連続の決勝トーナメント進出が濃厚になる。

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