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【なでしこジャパン】白星発進!川澄、大野のポジションを変えた意味 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by JMPA

 一方で、攻撃面でポイントとなったのは、19日のフランス戦から入れ替わった前線のポジションだった。フランス戦からスタメンの変更はなかったものの、大野、宮間、川澄のポジションを、それぞれ右MFからFWへ、左MFから右MFへ、FWから左MFへと移し、これがはまった。

 昨年のW杯前にFWから右MFにコンバートされ、以降は右MFが定位置だった大野だが、やはり奔放な彼女にはFWが合っているのだろう。動きの制限が最小限になったことで、サイドへ流れてボールを受ける場面が目立ち、得点につながった2つの場面では、いずれも大野のポストが冴えていた。

 役割の変化について、大野は「特別な意識も、特別な指示もなかった」というが、「裏への飛び出しはやろうと思ってました」と語る通り、ニアゾーンの背後を取って、先制点の場面では川澄へのトリッキーなヒールパスを決め、2点目の場面ではアシストした鮫島へ丁寧なパスを落とした。

 左MFに入った川澄も、ゴールを挙げただけでなく、ポジションをひとつ下げたことで前を向いた状態でボールをもらえる場面が増え、たびたび得意のペナルティボックス左隅付近からの仕掛けでチャンスに絡んだ。

 川澄自身は「守備の負担も少なく、よりゴールに近い位置でプレイできるFWは好きなポジション」と語っているが、攻守にアップダウンできる豊富な運動量と、前を向いた状態で得意のドリブル突破を発揮できることを考えれば、その適性はMFにあるといえるだろう。


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