【日本シリーズ】「目も合わせなかった」 山本祐大が明かした日本一達成の舞台裏 親友・牧秀悟との友情も封印 (3ページ目)
【数字に表れない山本祐大の武器】
ソフトバンクの細川亨コーチも、シリーズ開幕前、山本祐の存在についてこう語っていた。
「祐大は有利だと思います。日本シリーズってデータじゃないです。もちろんある程度はありますけど、日本シリーズって選手は目立ってナンボじゃないですか。選手がメイン。僕も現役時代に秋山(幸二)監督に『オマエら日本で2チームしかやっていないんだぞ。それで目立たないで、どこで目立つんだ。いつもより注目してもらえるんだ。活躍したら目立つぞ』と言われたものです」
そして、短期決戦ならではの難しさについて、こう続けた。
「レギュラーシーズンと戦い方も違う。そうなるとデータだけで見ることができない。やっぱり性格とか人間性とか、そこが重要になってくる。絶好の場面でイケイケになるのか、慎重になるのかとか。それを知っているだけで攻め方も変わるし、味方の投手も安心して投げられるじゃないですか」
数字だけでは読み取れない、打者の心理や性格。それを知っていることが、捕手にとってどれほど大きな武器になるのか。
細川の言葉は、山本が持つ強みの本質を言い表していた。実際、山本祐のリードを受けた投手たちも、その違いを感じ取っていた。
【古巣を倒して証明した捕手の価値】
第1戦に先発し、7回無失点の好投を見せた上沢直之に話を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「おもしろいなと思いました、配球が。相手をわかってリードしているという感じでした。自分のなかで思い描いている配球があって、(内角へ)突っ込むところはしっかり突っ込む。そのタイミングがいいと思いました。全体的には事前のミーティングどおりだったし、根拠があってリードもしてくれたと思います」
上沢が感心したのは、単に相手の弱点を突く配球ではない。勝負どころを見極め、必要な場面では迷わず内角を攻める。その判断の的確さだった。
チーム内でも、山本祐の持つ情報はさまざまな形で共有されていたという。たとえば、何げない雑談のなかで「牧をパ・リーグの選手にたとえるなら、ロッテの山口(航輝)に近いかな」といった話が出たり、「東(克樹)が第3戦に先発するのは、こういう理由があるからじゃないかな」と、相手ベンチの思惑を推測したりすることもあったようだ。
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