【日本シリーズ】「あとアウトひとつ」が遠すぎる... DeNAを絶望に追い込んだソフトバンクの恐るべき強さ 3連敗から奇跡は起こせるか
9回二死。あとアウトひとつ。そこから追いつかれ、最後はサヨナラ負け。日本シリーズに入ってからの3試合、DeNAベイスターズが繰り出す得意の勝利パターンは、ことごとくソフトバンクホークスに切り返されている。
いや、強い。わかりやすい力強さだけではない。相手が勝利を確信した、その一瞬の隙を逃さず、鋭い一太刀を浴びせる。ホークスは居合いの達人でもあるのか。
今日こそ勝てる──そう思ったところから試合をひっくり返されるダメージは、計り知れない。
史上初となる日本シリーズ第1戦から3試合連続の延長戦に突入した第3戦は、延長10回裏、正木智也のバットから劇的な一発が飛び出し、ソフトバンクがサヨナラ勝ちを収めた。これでベイスターズは3連敗となり、崖っぷちに追い込まれた。
日本シリーズ第3戦で好投したDeNAの東克樹 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る
【東克樹が見せたエースの真骨頂】
横浜での2試合が、継投で粘りながら終盤の一発で試合をひっくり返そうとする、いかにもベイスターズらしい派手な展開だったとすれば、福岡に舞台を移した第3戦は、これまでとは違う、地に足のついた勝ちパターンに持ち込んだ試合だった。
シリーズ3試合目にして初めて奪った先制点。そして、初めて本塁打以外で挙げた得点。5回、二死から三森大貴が盗塁を決め、古市尊が中前へ適時打を放った。下位打線から生まれた虎の子の1点だった。
シリーズの流れを変えるには、ゲームチェンジャーが必要だった。思い起こされるのは、2年前の2024年日本シリーズだ。ベイスターズは本拠地・横浜で連敗を喫し、敵地・福岡へ乗り込んだ。その第3戦で流れを変えたのが、エース・東克樹の好投だった。
今回も、東にかかる期待は大きかった。そして、その役割を誰よりも理解していたであろう東は、初回から走者を背負いながらも、本塁を踏ませなかった。打球を上げさせないよう低めに集め、コースを丁寧に投げ分ける。持ち味である打たせて取る投球を徹底し、ベンチが敷いた守備シフトも狙いどおりにはまった。
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著者プロフィール
村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)
1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。







































