【日本シリーズ】「あとアウトひとつ」が遠すぎる... DeNAを絶望に追い込んだソフトバンクの恐るべき強さ 3連敗から奇跡は起こせるか (2ページ目)
奪った併殺は、じつに5つ。日本シリーズの1試合最多記録を更新した。安定した制球力と守備陣との連携によって、ホークス打線の勢いを封じ込めた。まさに東の真骨頂だった。
なかでも印象的だったのが、この日の東にとって最後の打者となった、かつての相棒・山本祐大との一打席だ。互いの手の内を知り尽くした者同士による、たった一度の真剣勝負。日本シリーズ屈指の名勝負と言ってもいい。
7回89球、無失点。数字だけを見れば省エネ投球にも映る。しかし、その89球には、極限まで研ぎ澄まされた集中力が詰まっていた。
シリーズの流れを引き寄せるために、エースが果たした最高の仕事だった。
8回は吉野光樹、岩田将貴の継投で無失点。そして9回、抑えのレイノルズへとつないだ。さらに、守備固めには神里和毅を投入。勝つために打てる手は、すべて打った。それでも、勝てなかった。
出てくる言葉は「ホークス、見事」。本当に、あと一歩だった。
神里のグラブをかすめ、二塁打となった栗原の打球。牧原大の右前打に、足を痛めながらも本塁へ返球する執念。そして、その送球をかいくぐり、頭から本塁へ滑り込んだイヒネ・イツア。
どれも、ほんのわずかな差で結果が変わっていたかもしれないプレーだった。試合後、相川亮二監督は、打撃、守備、走塁における「ほんの少しの差」に言及した。そのわずかな差が、勝敗を分けた。そして、その差こそが、今のホークスの強さなのだろう。
【鈴木尚典コーチが感じたホークスの底力】
1998年には選手として日本一を経験し、2年前の2024年にはコーチとして日本シリーズを戦った鈴木尚典コーチは、今回の激闘をこう振り返った。
「簡単に終わらせてくれないのがホークスの強さ。あとひとつというところまで追い込んでも、最後のアウトを取らせない。それが強いチームですよ。さすがと言ったらそれまでなんでしょうけど、強いですね。
ホークスは1番から9番までブンブン振ってくる。これは脅威ですよね。うちにも振れる選手はいますけど、ちょっと衝撃というか、うちもいつかやりたいな、見習いたいなと思わせてくれるような打線ですよ。それを必死に抑えてくれているピッチャー陣は、本当に頑張ってくれている。あとは、これからうちの打線がどうするかですよね」
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