【日本シリーズ】DeNA牧秀悟は「まったく手が出なかった」 古巣を知り尽くすソフトバンク山本祐大が仕掛けた巧妙な心理戦 (3ページ目)
投手陣が苦しみながらも粘っている時こそ、打線が援護しなければならない。だが、DeNAの得点は第1戦が牧のソロ本塁打、第2戦が筒香の3ランのみ。2試合を通じて、得点は本塁打によるものに限られている。牧も打線の課題を痛感していた。
「得点圏の一本だったり、2アウトからの粘りだったり、ホームランだけじゃないところを見せていかないと厳しいのかな」
走者は出す。しかし、あと一本が出ない。その攻撃を封じているのが、ソフトバンクのバッテリーだった。
【牧秀悟を封じた山本祐大の頭脳】
象徴的だったのが、第2戦における牧への配球だ。第1打席はチェンジアップ3球で打ち取り、第2打席は内角のストレートとスイーパーで詰まらせた。そして第3打席では、カットボールとカーブを駆使して三振を奪った。
打席ごとにまったく異なる組み立てだった。もちろん、先発したリバン・モイネロの投じるボールが、どれも一級品であることは間違いない。しかし、それだけではない。そこにはDeNA打線を知り尽くす捕手・山本祐大の存在の大きさを感じずにはいられなかった。
そのことを牧に尋ねると、小さくうなずいた。
「そうですね。今日はまったく手が出なかった......。気をそらすような、バッターからしたら嫌な配球をしてくる。性格的な部分でも、ここは打ってくる、打ってこないというのもわかっているのかもしれない」
同じ1998年生まれの牧と山本が、気心の知れた間柄であることはファンの間でもよく知られている。DeNA時代には、チームが勝つために何をすべきか、日々、忌憚なく意見をぶつけ合ってきた。互いの性格も、野球に対する考え方も熟知している。
その山本は今、ソフトバンクの司令塔として牧の前に立ちはだかっている。かつて同じユニフォームを着て戦った仲間が、今度は敵として自分たちを封じるために知恵を絞る。これほど厄介な相手もいないだろう。それでも、攻略しなければ先はない。牧は決意を込めるように語った。
「この2戦、点が取れていないところで、相手のことを見ることができましたし、ここをやっぱり攻略していかなくてはいけない。気持ちをひとつに、"ソフトバンク"と戦うことを意識していきたいと思います」
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