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【日本シリーズ】DeNA牧秀悟は「まったく手が出なかった」 古巣を知り尽くすソフトバンク山本祐大が仕掛けた巧妙な心理戦 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Takashi Ishizuka

 かつての仲間たちとの真剣勝負を楽しみ、自らの成長を示した尾形。しかし、次の瞬間、その表情が曇った。

「ただチームを勝たせることができなかったので、そこはすごく申し訳ないと思っています......」

 尾形にとって、投手としての何よりの願いは、自分が投げた試合でチームが勝つことだ。たとえ自身に勝ち星がつかなくても、チームの勝利につながる投球ができればいい。だが、その願いはかなわなかった。

日本シリーズ第2戦、無安打に終わったDeNA・牧秀悟 photo by Sankei Visual日本シリーズ第2戦、無安打に終わったDeNA・牧秀悟 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【あと一本が出ないDeNAの苦悩】

 DeNAは前日のシリーズ開幕戦に続き、延長戦の末に惜敗。2試合連続で、あと一歩のところまで勝利に迫りながら、白星をつかむことができなかった。

 0対2で迎えた8回裏、一死一、二塁。筒香嘉智が松本裕樹の初球のストレートを捉え、左翼ポール際へ逆転3ランを放った。劇的な一発に、横浜スタジアムは地鳴りのような大歓声に包まれた。

 その大きな放物線を、一塁走者として見つめていたのが牧秀悟だった。打球がスタンドに吸い込まれた瞬間、「これでいける!」と感じたという。だが同時に、「そんなに甘くはない」という思いも頭をよぎった。だからこそ、9回は「3人で終わってくれれば」と願っていた。

 ところが9回表、守護神のショーン・レイノルズが代打・山川穂高に特大のソロ本塁打を浴び、試合は振り出しに戻った。そして延長10回表には、伊勢大夢が川村友斗に勝ち越し本塁打を許してしまう。

 歓喜から一転、悪夢のような幕切れだった。

 思い出されるのは2年前、同じ顔合わせとなった2024年の日本シリーズである。あの時もソフトバンクが開幕2連勝を飾った。第1戦は序盤に先制され、9回に突き放された。第2戦も4回までに6点を奪われ、主導権を握られ続けた。

 しかし今回は違う。2試合とも十分に勝機がありながら、接戦の末に敗れている。その違いを牧に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「それでも負けは負けです。ただ2試合ともこっちに勝機があったとは思うんで......ちょっとこう苦しい展開にはなっていますね」

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