【プロ野球】高木豊がパ・リーグの交流戦を総括 5チームが勝ち越したが、その状態には差もある (3ページ目)
【ロッテは上位進出の目も。楽天は打線で苦労】
――10勝6敗2分けと勝ち越したロッテは借金を返済。ケガで離脱した藤原恭大選手の不在をカバーするため、チームがまとまってきた印象です。
高木 チーム全体の戦う姿勢がすごくよくなってきています。二遊間の小川龍成、友杉篤輝は守備だけではなく、バッティングでも貢献できるようになってきていますね。ふたりのどちらかが出塁して、西川史礁や佐藤都志也らが還すというパターンも確立されてきました。
あと、今シーズンは一軍では見られないんじゃないかと思っていた安田尚憲が上がってきて、3年ぶりのホームランを打つなど要所要所でいいバッティングを見せています。巨人戦でライデル・マルティネスの真っすぐを引っ張ってスタンドに叩き込んだホームランは、理想的なバッティングだったと思います。今の形を体に覚えさせることですね。
投げるほうでは、八木彬の台頭が明るい材料です。彼を登板させるとチームが逆転したり、勝ち越したり、ラッキーボーイになっています。ほかにも小野郁や澤田圭佑、横山陸人らリリーフに力のあるピッチャーが多いので、先発が整備されてくればロッテは上がり目があると思います。
――唯一負け越した楽天は、4勝14敗で交流戦最下位。三木肇監督が6月10日に休養を発表するなど、非常に苦しいチーム状況です。
高木 リーグ戦でなかなか勝てず、交流戦で勢いをつけたかったところで6連敗スタート。打線が全然つながりませんし、逆転する力もないので、先制されると試合の流れを引き戻せません。監督交代については、まだ地に足がついていないというか、チームが落ち着かない状態だと思うんです。まずはその状態を打破してほしいです。
いい選手はある程度揃っていて、特に野手陣は、辰己涼介や村林一輝ら実績のある中堅のほかに、黒川史陽や中島大輔らここ数年で台頭してきた選手もいます。浅村栄斗や鈴木大地など実績のあるベテランもいる。ただ、これだけ投打ともに苦しいと、どこから手をつけていいのか難しいですよね。
ほかの5チームが交流戦で勝ち越し、リーグ戦の状況はますます厳しくなってしまいましたが、応援してくれるファンがいるわけですし、ひとつひとつ課題を改善して巻き返していくほかないと思います。
――リーグ戦が再開して、どんな展開になるのか注目ですね。
高木 開幕前はソフトバンクと日本ハムの2強と見られていたパ・リーグですが、西武の躍進もあって混戦模様は続くでしょう。5位のロッテが上がっていく可能性もあると見ています。今年は各チームの実力が拮抗していますし、ますます目が離せない展開になると思います。
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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