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【プロ野球】JFKが変えた野球の常識 岡田彰布が語る勝利哲学「勝ってたら使うのは当たり前やん」 (2ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Yasuyuki Takahashi

 6回までしか点を取れない野球。7、8、9で反撃できない野球──。極端に表現すれば、そんなふつうではない野球が、JFKによって成立していた。6回で1点ビハインドなら、ふつうは反撃ムードが高まるものだが、2005年の阪神はわずか1点でそのムードさえつくらせなかった。岡田の発想どおり、ラッキーセブンがなくなっていた。

【下柳剛が規定投球回未満で最多勝】

 反対に、阪神は先発が5回、6回まで投げればよかった。井川慶、福原忍、同年から先発転向の安藤優也は完投もあったが、ベテランの下柳剛は先発24試合で投球回は132回1/3。規定投球回未満ながら、15勝(3敗)をマークして広島の黒田博樹と並び最多勝に輝いた。しかも37歳での最多勝は史上最年長記録と、まさに「JFK」さまさまだった。
 
「もう、下柳が投げてる時が一番忙しかったよ。6回で終わりだから、下柳は絶対、火曜日には投げさせなかったもん。火曜日って6連戦の頭だから。頭はなるべくピッチャーを使いたくないから、完投できるようなピッチャーしか先発させんかった」

 当然、JFKもすべての勝ちゲームで使うわけにはいかない。それでも中日と首位を争っていた8月、全20試合の長期ロード。藤川、ウィリアムスは8連投もあった。投手の健康状態を気遣い、「3連投させない」起用が標準になった今では考えられない。だが、当時のリリーフはそこまで投げ続けた。

「いやいや、こんなんねぇ、何連投させたらあかんとか言うけど、勝ってたら使うのは当たり前やん。そんなん、お客さんに悪いよ。これ、勝ってるから抑えが出てくるとかね、そういうのを見に来るんやから。そら、出さんほうが失礼よ。オレから言わせたら。

 その代わり、負けてる時は出せへんやんか。そこはお客さんもわかってるよ。ということは、勝ってる時にはやっぱり投げさせなあかん、それは絶対に。何連投させないとか、オレは全然関係なかった」

 球場に見に来るファンのための起用。健康状態を気遣う今の起用法でも、故障で長期離脱する投手がいるのも事実。何が正しいのか、一概に言えないなかで、岡田の強い主張が響く。

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