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【プロ野球】「もうやらなきゃいけない年齢」 石川雅規が4人の投手に突きつけた"エースの条件" (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura

 3月21日、二軍の日本ハム戦(鎌ヶ谷)で、高橋は今季初の実戦登板。最速152キロを計測し、「少し出来すぎなくらいでしたが、しっかり出力を出せたのはよかった」と、2回を無安打無失点、31球と上々の内容だった。

「次回からは球数もイニングも増えてくると思うので、体力面を確かめながら、しっかり打者と勝負していきたいです」

 今季のイメージについて聞くと、少し考えてから「ケガなく終えたいです」と小さく笑った。

「ケガをすると本当に何もできないので。今年は10年目を終えての"新たな1年目"という気持ちで、1月から体を見つめ直し、もう一度スタートしています。これまで期待に応えられないシーズンもありましたが、一軍で投げることがいちばんの恩返し。チームに勢いをもたらせるような成績を残したいですし、そのためにも焦らず取り組んでいきたいです」

【もうやらなきゃいけない年齢】

 石川雅規は、これまで高橋や山野とキャッチボールを重ねながら、さまざまな助言を送ってきた。大ベテラン左腕の目に、ふたりの成長はどのように映っているのだろうか。

「山野は完璧を求めすぎている印象がありますね。もう少し遊び心を持って投げられれば、さらに殻を破れるのではないかと期待しています。

 奎二は年間を通して投げれば『これくらい勝てる』という期待値があると思います。だからこそ、ケガが続くなかで今の自分に合うやり方を見つけることが大事。自分の体と向き合いながら、日々の取り組みを工夫していけば、リスクも減らせるはずです」

 そして石川は、高橋、山野、吉村、奥川の4人について、「もうやらなきゃいけない年齢ですよね」と言い、このように語った。

「僕はエースというよりイニングイーターでしたが、この4人にはエースになれるポテンシャルがあります。勝ち負けを繰り返すなかでも連続して崩れなければ、ローテーションを守って25試合以上、143イニングはクリアできるはず。そこを乗り越えたら自ずといろんなモノが見えてきます。まずはコンディションを維持し、規定投球回を超えてほしいですね」

 ヤクルト再建のカギは、この4人に託された。その覚悟が試されるシーズンが、いよいよ幕を開ける。

著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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