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【プロ野球】「ええっ!」 高校時代とまるで別人 カープ育成左腕の空振りを奪えるカーブに驚嘆 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Masahiko Abe

【高校時代とはシルエットが一変】

 そんななか、ブルペンの左端で投げているサウスポーから視線が外せなくなった。 

 背番号126、敦賀気比高(福井)からカープに進んで2年目の竹下海斗。2024年育成ドラフトで、小船に次ぐ2位で指名された19歳だ。
  
 ひと目見て「ええっ!」と思った。高校時代の練習試合で見た薄っぺらなユニフォーム姿と、シルエットが一変している。すっかり厚みを増して、見るからに「投げられる体」になっていた。
 
 時計の文字盤でいえば「1時」くらいの角度から投げ下ろす純粋オーバーハンド。180センチ80キロ。今のプロ野球ではふつうサイズでも、あの角度で、球持ちも高校時代よりだいぶよくなって、打者寄りでボールをリリースできているから、ホームベース上でエネルギーの落ちない「生きたストレート」が捕手のミットを叩く。

 あれだけ腕の振りがしなるのだから、肩甲骨や胸郭の可動域がよほど広いのだろう。ボールを投げるために生まれてきたようなヤツだ。
  
 高校時代からカーブがよかった。斜めの位置から見ているので、投げるボールの軌道がよく見える。竹下のカーブはタテの軌道で、打者に近いところで変化し始める。こういうカーブは、実際に受けてみると、落下スピードがすごく速く感じるのだ。

 柳裕也(中日)が明治大当時、東京六大学のリーグ戦で110キロ前後のタテのカーブで次々と空振りを奪うのを見て不思議だったが、実際にブルペンでボールを受けてみて驚いた。

「140キロ前半の速球より、ずっと速く見えるじゃないか!」

 宮崎日大時代の武田翔太(前ソフトバンク、現韓国SSG)も、福岡大大濠時代の山下舜平大(オリックス)もそうだった。竹下のカーブも、空振りが奪える「生命力」を秘めている。

「そうなんです。カーブにはある程度自信があるんで、今はスピードとか回転数とか、基本的な出力を上げることを最優先にしてやっています」

 ちょっと人を食ったような感じが、いかにもピッチャーらしい。それでも、聞かれたことに対して、しっかりと話してくれる。横顔、雰囲気......西武・西口文也監督の立正大時代に似ている。

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