【プロ野球】"鬼軍曹"鳥越裕介ヘッドコーチが期待する、西武再建のカギを握る「次代のリーダー候補」たち (4ページ目)
「ネビンにはリーダーの姿勢があるので、ライオンズはこれから面白くなってきますよ。ただ、ちょっと弾が足りないですね。自分に自信を持っていない子が多いので、その自信を持たせたいと思います。ちょっと良かったら、自信じゃなくて過信するのか、調子に乗るのか。ハセ(長谷川信哉)なんてその典型だと思います。彼なりには非常に頑張っていると思いますけど」
高卒5年目の長谷川は波の大きさが課題だが、攻守で高いポテンシャルを示した。同4年目の滝澤夏央も出場試合数、安打数で自身のキャリアハイを更新したが、ふたりともまだ自分のプレーに集中すべき段階だ。
球団再建中の西武には、そうした選手が多くを占めている。そんななかで鳥越コーチの目を引いたのが、大卒2年目で197センチ、115キロの大型打者、村田怜音(れおん)だった。一軍登録された7月16日から抹消される8月25日まで、おもに5番でチャンスを与えられた。
「コツコツと、いいと思ったことはずっと続けられる子です。できる、できないは別として。すぐにできる子もいるけど、彼は時間がかかる子です。ただし走り方にしても、春のキャンプで見たら、冬の期間だけでまったく変わっていました。夏に見た時には、もっとよくなっていた。ただ、(成長スピードが)ちょっと遅いんですけどね。でも去年の秋のキャンプで知り合い、ゆっくりですけど、すべてにおいてずっと右肩上がり。それは彼の非常にいいところなのかなと思います」
外野のレギュラー不在で始まった今季、西川が大きな成長の跡を残し、ルーキーの渡部聖弥はクリーンアップに座った。滝澤も攻守で大きな飛躍を果たし、長谷川や村田のように短期的ながらポテンシャルを示した若手もいる。
このなかから、誰が次代のリーダーになるのか。あるいは、ほかの選手が出てくるのか──。球団再建には、もう少し時間がかかるだろう。
ただし、すでに種はまかれ、出始めた芽もある。あとは、美しい花を咲かせるだけだ。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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