【プロ野球】隙がない阪神、高木豊がCSに向けての課題を分析 短期決戦で戦いたくないチームは? (3ページ目)
――阪神は機動力を使えるかどうかもポイントになりそうです。
高木 特に広島が上がってきた時はそうですね。広島の弱点は、坂倉将吾がマスクをかぶった時に走られてしまうということ。得点圏に行かれてしまうと、阪神はクリーンナップの誰かが返すんです。なので、走られないキャッチャーを使うかどうかが短期決戦では特にポイントになります。藤川監督は、広島が走られるのを嫌うチームであることをしっかり頭に入れてやっているので、CSでも徹底するはずです。
――阪神は、短期決戦でもシーズン通りの戦い方をすべき?
高木 それで十分ですよ。先発ピッチャーも充実していますから、先発の一角を崩してもいい。三振を取れるジョン・デュプランティエを中継ぎに入れても面白いですね。藤川監督は目立ちはしないのですが、着実にやってきたと思いますよ。先ほど挙げた熊谷や島田海吏らは、以前は走ることが専門みたいな感じでしたが、打つことも含めてちゃんと戦力にしてきているんです。
危機管理ですよね。例えば、CSの相手が巨人になった場合はフォスター・グリフィンや井上温大、DeNAの場合は東やケイといった左の先発ピッチャーが出てくる可能性が高い。広島も先発は床田、森、髙、中継ぎもテイラー・ハーンや森浦大輔ら左ピッチャーが多い。そういった時の"左対策"としても熊谷らを備えていると思うんです。シーズン中からある程度打席に立たせ、打てれば自信になるし、打たなくても走り専門でいけばいいんです。
短期決戦はレギュラーシーズンとは別物ですが、藤川監督が隙を見せるとは思えない。先ほど話したように、佐藤と大山のCSの入りに少し不安があるくらいです。まだリーグ優勝も決まっていないので気は早いですが、CSでどんな選手起用・采配を見せるのか注目しています。
(後編:高木豊はセ・リーグDH制に違和感「なぜ国際基準に合わせなければいけないのか」 リプレーセンター導入は賛成>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
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