「令和の琉球トルネード」亜細亜大・山城京平 独学でたどり着いたフォームと最速154キロのストレート (2ページ目)
【フォームの指導を受けたことはない】
島袋洋奨(しまぶくろ・ようすけ)。2010年に甲子園春夏連覇を成し遂げたエースで、上体をひねってから左腕を振る特徴的なフォームから「琉球トルネード」と呼ばれた。その後、中央大を経て、ソフトバンクに入団。現役引退後は興南に戻り、コーチとして野球部を指導している。
山城も高校時代に、島袋コーチの指導を受けている。そして現在の山城もまた、打者に向かって背中を向ける、トルネード風の投球フォームなのだ。
島袋コーチは大学時に投球感覚を崩したこともあり、プロでは華々しい実績を挙げることはかなわなかった。もし、島袋コーチが万全であれば、今の山城くらいのボールを投げていたのではないか。そんなエモーショナルな想像をかき立てられる。
山城のトルネード投法は、島袋コーチから受けた影響に違いない。てっきりそう思って質問したのだが、困惑顔の本人から返ってきたのは意外な答えだった。
「島袋さんからフォームの指導を受けたことはないんです。フォームは自分の考えで、今の形になっています」
いろんな角度から聞いてみたが、山城は島袋コーチからの影響を明確に否定した。
「たまに聞かれることがあるんですけど、違うんです。参考にしたいですけど、フォームは自分の感覚が大事だと思うので」
高校時代は右足を高く上げる投球フォームで、上体をひねる動作は入れていなかった。大学3年になってから、トルネード風のアクションを取り入れたという。
「もともとコントロールがいいわけじゃないのに、足を高く上げて投げると、体が余計に早く開くので。だから上体をひねって、右肩が開くのを我慢することを意識するなかで、今のフォームにたどり着きました」
配球など投球テクニックに関しては、「宮城大弥さんとか、すごく参考にさせてもらっています」と山城は明かす。だが、投球フォームやリリース感覚については、どんな先輩であっても参考にすることはない。
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