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「令和の琉球トルネード」亜細亜大・山城京平 独学でたどり着いたフォームと最速154キロのストレート (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 大学屈指のキレを誇るストレートは、回転数は常時2500弱rpmを計測する。山城は、どんなイメージで投げているのだろうか。

「トップを早くつくって、ボールを潰すイメージで投げています。人差し指、中指、親指の3本で、『ひっかく』というよりは、『潰す』というほうが近いかなと。ボールの軌道は、シュートしながら伸びていくのがベストです」

【ツーシーム習得の裏に意外な縁】

 変化球は得意のスライダーに加え、大学でツーシームをマスター。投球の幅が広がり、右打者を苦にしなくなった。このツーシームは意外な人物の流れを汲むボールだった。

「大学の1学年先輩に脇水(大翔)さんという方がいたんですけど、髙橋遥人さん(阪神)の高校(常葉大橘)からの後輩なんです。高橋さんが投げているツーシームを脇水さんから教わって、シュートしながら落ちる球を投げられるようになりました」

 着実に進化を遂げている山城だが、「自分がすごいピッチャーとはあまり思わないです」と、自己評価は高くない。「誰がすごいと思いますか?」と尋ねると、毛利海大(明治大・4年)の名前が挙がった。

「毛利くんはあれだけ成績を残しているので、実力があるピッチャーだと思います」

 毛利は今春の東京六大学リーグで6勝0敗、防御率1.34(リーグ1位)と圧倒的な成績を残し、山城とともに大学日本代表に選出された左腕だ。

 山城が自分に自信を持てない理由。それはコントロールに課題を残しているからだ。

「一番の課題です。高校までは苦手意識はなかったんですけど、大学に入ってから荒れ球になってしまって。自分のなかで『これだ』と思えるものがまだないので、秋のリーグ戦が始まるまでが勝負だと感じています」

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