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広岡達朗が阪神・藤川監督の采配に警鐘 「強引な野球はハマればいいが、相手に流れが渡る危険性がある」 (3ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin

 これから夏場にかけて、投手陣の踏ん張りがカギになる。石井の離脱は痛いが、幸いにも伊藤将司が戻ってきて先発陣に厚みが出た。なんとか先発陣が予定イニングよりも多く投げることで、中継ぎ陣を休ませることができるし、ペナント大詰めの9月にフル動員できる態勢が整う。

 そして広岡は、阪神打線の中軸を担う佐藤輝明、森下翔太についてこう言及する。

「ふたりともまだ強引な部分はあるが、佐藤は状況に応じて逆方向を意識したバッティングができるようになってきた。問題は森下だ。力任せのスイングばかりしていたら、そりゃ打率は落ちるわな。体が前のめりになってスイングすると、どうしてもヘッドが下がってしまう。甲子園でオリックスの宮城(大弥)から打った弾丸ライナーのホームランの感触が忘れられないのだろうな。とにかく藤川に言いたいのは、監督の采配で勝てる試合など片手もない。逆に、監督の采配で負ける試合は山ほどある。そこは肝に銘じておけ」

 広岡がいつにもまして厳しいことを言うのは、阪神を優勝できる戦力だと認めているからこそである。これからの阪神の戦い、藤川監督の采配に注目したい。


広岡達朗(ひろおか・たつろう)/1932年2月9日、広島県生まれ。呉三津田高から早稲田大に進み、54年に巨人に入団。1年目からショートの定位置を確保し、新人王とベストナインに選ばれる。堅実な守備で一時代を築き、長嶋茂雄との三遊間は球界屈指と呼ばれた。66年に現役引退。引退後は巨人、広島でコーチを務め、76年シーズン途中にヤクルトのコーチから監督へ昇格。78年に初のリーグ優勝、日本一に導く。82年から西武の監督を務め、4年間で3度のリーグ優勝、2度の日本一に輝いた。退団後はロッテのGMなどを務めた

著者プロフィール

  • 松永多佳倫

    松永多佳倫 (まつなが・たかりん)

    1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。

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