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交流戦で強さを見せたパ・リーグは下位チームにも希望あり 高木豊が全チームの現状と課題を分析した (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

―― 一方でピッチャーはいかがですか?

高木 北山亘基(日本ハム)がよかったですね。もともと力があって勝てるピッチャーですが、彼が投げる時に援護点が少ないことが多かったんです。それと、おそらく北山は相手を見るというより、自分の投球に集中していますね。「自分の球を投げられれば抑えられる」という自信を感じるんです。巨人を1安打に抑えた試合(6月19日)も見事でしたし、最初から飛ばしていました。

 それと、達孝太(日本ハム)にはピッチングのセンスを感じます。速くて強い真っすぐを持っていますが、一辺倒にならないんですよ。フォークの割合も多いですし、スライダーやカーブも投げますし、ボールを散らしながらここぞの場面でバっと真っすぐを投げる。速いボールをより速く見せるコツを知っていますし、うまさを感じます。

【上位陣の現状は?】

――今後、パ・リーグはどんな展開になるでしょうか?

高木 安定しているのは日本ハムでしょう。ケガ人が出ても補える戦力の厚みがあります。逆にソフトバンクは、これ以上ケガ人が出ると苦しくなります。ただ、戦う姿勢はすばらしいですし、やはり昨年のチャンピオンチームです。交流戦で強さを見せたように、日本ハムもソフトバンクの存在は脅威に感じていると思います。

 オリックスは、宮城大弥で勝てていません。山岡泰輔や岩嵜翔らが入って中継ぎは層が厚くなってきましたし、宮城が勝ち出すとチームも勢いがつくと思います。それと、東晃平やドラフト2位ルーキーの寺西成騎ら先発ピッチャーに勝ちがついていけば、今後もいい位置をキープできると思います。打線は杉本裕太郎や西川龍馬が好調ですし、宗佑磨も調子を上げていますから、先発陣をどう整えるかですね。

――西武は4位ですが、首位の日本ハムとわずか3.5ゲーム差です。

高木 西武は守備がいいですよ。ライト長谷川信哉とセンター西川愛也の右中間、セカンドの滝澤夏央とショートの源田壮亮の二遊間は抜群ですし、ファーストのタイラー・ネビンもそこそこ守れる。キャッチャーは古賀悠斗がいて盗塁を刺せます。あまり表だって言われていませんが、僕は西武の守備は12球団一と言ってもいいくらいだと思っています。

 ピッチャーもいいですし、今年はある程度打てます。長打力の面では日本ハム、オリックス、ソフトバンクに劣りますが、西川、滝澤、源田、長谷川、控えの児玉亮涼(りょうすけ)ら足を使える選手が多いので、1点をもぎ取る野球とピッチャーを含めた硬い守りで対抗していけると思います。

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