交流戦で強さを見せたパ・リーグは下位チームにも希望あり　高木豊が全チームの現状と課題を分析した (2ページ目)

――リーグ１位を走る日本ハムは、交流戦でも安定した強さを見せました。

高木　実力だと思います。一点、不安なのは抑えです。田中正義（せいぎ）でいくのか、柳川大晟でいくのか、齋藤友貴哉を後ろに回すのか。先発の一角を崩して誰かを持っていくのかなど、考え方はいろいろありますが、そこは悩みどころでしょうね。

　打つほうは長打あり足あり、小技もできてバリエーション多彩な戦い方ができますが、"仕上げ"の段階で不安があると少し困るんじゃないかなと。先発ピッチャーの完投が多いですが、後ろの不安定さも少し影響しているのかなと見ています。先発陣は、登板間隔を十分にあけていますけどね。

【交流戦でチャンスを掴んだ選手たち】

――交流戦で活躍が目についた野手は？

高木　ソフトバンクの野村です。長打力があって足も速いし、いい選手ですね。今年からバットの長さを長くしているのですが、普通はやらないことなんですよ。よっぽど力がなければ難しいのですが、それで結果を残せるくらい力があるってことですよね。左中間にも右中間にも平気で放り込みますから。

　以前からポテンシャルの高さは感じていましたが、なかなか使われる機会がなかったんですよ。ただ、チームにケガ人が続出した状況で起用され、すぐに結果を出せるというのは実力があるんでしょう。

――ほかに挙げるとすれば？

高木　山本大斗（ロッテ）です。ファームにいた選手を一軍に上げて４番に据えて、使い続けていたら結果を出し始めた。４番らしい働きも見せていますし、ヘッドコーチのサブローが二軍監督時代からよく見ていたんでしょう。めちゃくちゃパワーがありますし、何よりも「打ちたい」という貪欲さを感じさせます。そういう気持ちってすごく大事なんですよ。今後も使われるでしょうし、大化けする可能性を感じます。