ヤクルトのドラフト1位ルーキー・中村優斗は「レベルの高さを毎日痛感」も「一軍に上がって金丸夢斗と投げ合いたい」 (2ページ目)
【奥川恭伸からのアドバイス】
先日、中村は奥川恭伸に一軍の打者と対戦することへの不安を打ち明けたところ、「おまえのボールなら一軍でも押しきれる」と、心強いアドバイスをもらったという。
「奥川さんが言っていたのは、『ストライクゾーンは二分割くらいで十分だし、たとえバッターのスイング軌道にボールが入っても、ファウルになるから大丈夫。だから「オレは中村だ」と相手を見下ろすくらいの気持ちで投げればいいんだよ』ということでした。
もちろん、ギリギリのコースを狙うことも大切ですが、上から見下ろすような強気の気持ちで投げることで、カウントも有利に進められるし、自然と投手にとって有利な展開になると思います。奥川さんからのアドバイスは、メンタル面でほんとにありがたかったです」
5月25日のDeNA戦。軽い体調不良により一度登板を見送っていた中村だったが、この試合は100球予定で先発のマウンドに立った。
3回までは1本のヒットも許さず、4奪三振。しかし、「後半は体がへばって、腕が横ぶりになってしまいました」と、4回に3安打1失点。6回にも3安打で1点を許した。結果は6回を投げて7安打、5奪三振、2四球、2失点。苦しみながらも粘り強いピッチングを披露した。
「課題は真っすぐの質が後半に落ちてきたこと。あとスライダーも抜けたのがあったので、そこをなくしたい。100球近く投げきれたことは収穫でしたし、4回と6回は点を許しましたが最少失点でいけたので、そこもよかったです」
この試合で中村と初めてバッテリーを組んだ捕手の松本直樹は、「マウンドが若干合っていないようで、投げづらそうにしていましたが、それでも何とか粘ってくれたのでよかったと思います」と振り返った。
「本来のピッチングではなかったかもしれませんが、手札をたくさん持っていると感じました。『もう真っすぐしかない』『スライダーしかない』というふうにならず、『フォークでもいけます』『カットボールもあります』と。手札がなくなり、相手にこれしかないというのがわかってしまえば、打たれる確率が高くなりますので」
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