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ヤクルトの160キロ右腕・中村優斗は「気づいたらメモ」で進化中 「一軍で活躍するイメージを持って取り組んでいきたい」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 実戦初登板は4月8日の西武戦。真っすぐとスライダーを軸に1イニングを無失点に抑えた。つづく15日のDeNA戦は2回無失点。フォークも交え、3者連続して打者のバットを折る場面もあった。

 22日の日本ハム戦は、先発として4イニングを投げた。カットボールも織り交ぜ、最終イニングとなった4回には155キロをマークした。29日の西武戦では新たにチェンジアップを加えるも、渡部健人に本塁打を浴びるなど5回3失点。試合後、中村はこうコメントした。

「真っすぐの調子があまりよくなく、カットボール、スライダー、フォークといろいろ試しました。ホームランは、初球のチェンジアップの反応を鑑みても、次に半速球のカットボールを投げたのがよくなかったんじゃないかと。その反省を収穫として、そういう面でポジティブにとらえています」

 5月7日の日本ハム戦では、6回82球を投げて1安打、7奪三振、無失点の好投。初回、矢澤宏太を150キロのストレートで空振り三振に仕留めると、水谷瞬には130キロのスライダーで空振り三振。その後、味方のエラーで走者を許すも、つづく有薗直樹を140キロのフォークで空振り三振。圧巻の立ち上がりを見せた。

 5試合に登板した時点で、18イニングを投げて18奪三振、1四球、防御率2.00。四球の少なさと被打率(.154)の低さが、じつに魅力的である。

【気づいたことはすぐにメモ】

 ここまで中村は、「試合中はベンチで気づいたことをノートにメモしています」と、課題を見つけてはクリアし投げてきた。

「大学時代は感覚だけでやっていたのですが、プロは大学生と違って特徴あるバッターが多いですし、1年間に何度も対戦することになります。ファームとはいえ、情報はたくさんあったほうがいいですし、書いて損になることはないですから」

 メモの内容については、次のように話した。

「ピッチャーならわかる感情というか、たとえば渡部選手にホームランを打たれた試合では、そのあと同じような右の長距離打者と対戦した時に、悪いイメージを持って投げてしまったとか。ピッチングの部分では、ここで右打者のアウトコースをしっかり突けた、ここが甘かったからこう打たれたと自分が感じたこと、またこの打者は真っすぐが見えていないとか、打者の反応についても書いています」

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