検索

梶谷隆幸がベイスターズ同期入団の盟友・高森勇旗に明かした現役引退してからの恐怖 「1月から給料がなくなって...」

  • 村瀬秀信●構成 text by Murase Hidenobu

梶谷隆幸×高森勇旗 ベイスターズ同期入団対談(全4回/1回目)

 昨年、18年の現役生活に幕を下ろした梶谷隆幸氏。その梶谷氏とベイスターズの元チームメイトであり、同期入団の高森勇旗氏が再会し、激アツトークを繰り広げた。第1回目は引退後に訪れた"何もない日々"と、そこで感じた不安と現実。ふたりの元プロ野球選手が今だから話せる引退後のリアルとは──。

2006年の高校生ドラフトで横浜ベイスターズに指名された高森勇旗氏(写真左)と梶谷隆幸氏 photo by Sano Miki2006年の高校生ドラフトで横浜ベイスターズに指名された高森勇旗氏(写真左)と梶谷隆幸氏 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る

【給料が入ってこない恐怖】

高森 まずはお疲れさんだね。結局、カジ(梶谷)は何年やったの?

梶谷 18年。ボロボロになっちゃったよ(笑)。

高森 ちょうどオレの3倍も現役をやったのか。オレも2012年いっぱいで引退を決断して、翌年の1月から何もない日がはじまったんだよな。どう今は? オレはなんにも手応えがないふわふわした日々に「このままで大丈夫なのか......」って不安になったもんだよ。

梶谷 そうね。オレも引退してからずっと家にいたからね......変な感覚だよ。それよりも、めちゃめちゃ現実的な話をしてもいい? 1月から給料がなくなったでしょ。これでこの先も家族を養っていかなきゃいけないじゃない。「本当に大丈夫なのか?」って恐怖がめちゃめちゃあるわ。

高森 それな。わかる。前年の12月25日に最後の振り込みがあるんだよね。球団から給料の支払い調書が届いて、俺の場合ば最後の給料が100万円ちょっとだった。当時の年俸は580万円だったけど、12月はちょっと多くてうれしかったのと、これで給料が止まるのかという恐怖があった。

梶谷 ここから頑張らんと、通帳の数字は減っていく一方だからね。怖いよ。

高森 次、頑張んないとな。身体的にはどうなの? もうトレーニングをしなくてもいいし、食事だって気を遣わなくたっていいわけじゃない。

梶谷 無理して食べなくてもいいのが大きいね。1日2食の日が多くなったけど、食べるものには気をつけているからグルテンフリーとか、お酒も家では飲まないように気をつけているかな。

高森 カジはもともと食べないと痩せる体質なの?

梶谷 食べても痩せる(笑)。去年の今頃と比べると、10キロは痩せてるわ。いま80キロになっちゃったんだけど、もう落ちるものがなくて下げ止まりだよ。会う人会う人にカリッカリだなって言われる。

1 / 4

著者プロフィール

  • 村瀬秀信

    村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)

    1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。

フォトギャラリーを見る

キーワード

このページのトップに戻る